潮について

釣りの雑学

海釣りでは潮を無視しては釣りはできません。海に住む魚たちは、潮の満ち引き(干満)、潮回り、潮の流れ₍潮流)をはじめとする自然現象に大きな影響を受けて生活をしています。潮について知識を持っておけば釣りに役立ちます。

釣行前に、釣行日の潮周り、釣行時間の潮汐を調べる人は多いことでしょう。パソコンやスマホで潮汐表を見る人もいれば、釣り具屋などで手に入れた潮汐表をめくる人も多いと思います。そんな事前に調べる潮汐表について覚書をしておきます。

潮汐と潮周り

潮汐というのは潮の満ち引きのこと。大雑把にいうと月の引力と、地球の自転によって引き起こされる潮の流れのことです。潮(ちょう)は朝の潮(しお)で汐(せき)は夕方の潮のことで一日に2回朝夕に満潮を定期的に作ることが昔から知られています。

1日に1回自転する地球では、月に近い位置とその地球の反対側では海水が月の引力と地球の遠心力で満潮となります。ちょうどその2点の真ん中では干潮となります。

更に月は地球の周りを29日~30日の周期で公転します。地球は太陽の引力の影響もありますから太陽、地球、月の位置関係で海水が受ける引力に差が生じます。太陽➡月➡地球、太陽➡地球➡月と一直線に並ぶ時が海水が引かれる力が大きくなり、地球から太陽と月が直角になる位置関係では海水が引かれる力が小さくなることは理解できますね。こうした月の公転から生まれる潮の動きを潮周りとよびます。

こうした潮の動きを表したものが潮汐表で、観測点を設けて日々観測されています。そのデータから私たちが利用するインターネットや潮汐表の冊子に載っているのです。潮周りは月の動きと密接に関係していますので月齢が一緒に載っているのです。

潮汐

釣り人は潮の干満を上げ下げといいます。上げが満ち潮で上げいっぱいが満潮の最高潮位をさします。反対に下げいっぱいが干底(ひぞこ)ともいい、最低潮位をあらわします。満潮時や干潮時には海水の動きが止まりますので潮止まりと呼びます。

釣りをする人なら魚が良く釣れるタイミングとして「上げ下げ3分、7分」というのを聞いたことがあるかもしれません。これは満潮から干潮までの間を10等分して、満潮までの3区間を上げ7分、満潮からの3区間を下げ3分、干潮までの3区間を下げ7分、干潮からの3区間を上げ3分と呼びます。

この期間は潮止まりの前後となり、潮が緩んでいる時間帯です。一般的には潮が動いているときの方が魚は活発にエサを追います。特に沿岸部では潮が動いていないと魚が釣れないので上げ潮も下げ潮も3分から7分の間の潮が良く動く時間帯に好地合いを迎えることが多いです。しかし、場所によって潮の流れが速いような海峡近くでは潮の流れが速すぎて魚が底付近に避難するような場所もあり、こういう場所では上げ下げ3分までと7分からが好地合いになることもあります。

潮汐は日本でも場所によって最高潮位、最低潮位を迎える時刻は異なり、その潮位差も異なりますので潮位表を見ることとなります。

潮周り

1日の中の潮の干満は月の引力と、地球の自転によるものですが毎日同じ干満が繰り返されるわけではありません。満潮・干潮を迎える時刻やその潮位が異なっていることはよく知られています。これに関係しているのが、月の公転、更には地球の公転です。

地球の公転が日本に四季をもたらせていることはご存知の通りで、地球規模で潮流に影響を与えています。漁船に乗って外洋で漁をするわけではありませんので、地球の公転の影響の詳細は割愛しますが、大きく四季の海の特徴ぐらいは自習しておきましょう。

さて、月が地球の周りを29日から30日かけて公転していることは月の満ち引きでよく知られています。目で見える月の変化は月齢で表され、新月、三日月、上弦の月(半月)、満月、下弦の月(半月)は私たちの生活の中でもよく見かけることができます。

太陽、地球、月の位置関係で 地球から見える月が、新月から満月、満月から新月と見た目の形が変化するように、潮の満ち引きの大きさが変化しています。その潮の干満差で大潮、中潮、小潮、長潮、若潮、中潮そして大潮となります。

新月を挟んで4日間大潮で続いて4日間中潮、そして上弦の月(半月)あたりで3日間小潮が続き、長潮、若潮が1日づつあり中潮が2日間、満月を迎える前後の4日間が大潮で中潮、小潮と同じ周期で続いていきます。

小潮の後の長潮では、満潮・干潮の干満差が少なくなり再び大潮に向かって干満差が大きくなっていく若潮で潮が返ると考え若潮を潮変わりと呼ぶこともあるそうです。

どの潮が釣りに適しているかというのは、場所、対象魚によって変わるので一概にこの潮ということができません。経験的に身に着けるか、ベテランの人や釣場に近い釣り具屋さんなどから情報収集することが良い方法でしょう。

潮汐表の見方

上の図は以前使っていた潮見表です。この日は長潮の前の小潮で、兵庫県の福良という特殊な地形をした場所でもあり、満潮・干潮がそれぞれ1回しかないという特殊な日でした。

干潮が6時49分、満潮が午後4時50分ですから、釣行時間である7時から18時は潮止まりから次の潮止まりまでの満潮なので湾内に潮が流れると考えます。この場所は潮通しが良く潮が良く流れます。潮の動く間は潮上に仕掛けを入れて潮に乗って入ってくる回遊魚を狙い潮止まりは探り釣りで根魚やカワハギを狙うという計画を立てました。

潮汐表の見方は様々だと思いますが、一つ一つの項目を細かくチェックする必要はないと思います。満潮、干潮の時間、潮の大きさがわかれば後は、釣場での経験を積むことで様々なデータを集めることができます。

釣行後に天気、潮の流れの様子、釣れた魚などをメモしておけば、次の釣行に生かせるデータとなります。

現在では潮汐表もスマホで詳しく見ることができますから、活用する釣り人も増えましたね。

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